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鈴木 康之*; Li, J.; 前川 康成; 吉田 勝; 前山 勝也*; 米澤 宣行*
日本化学会誌, 2002(2), p.255 - 259, 2002/02
PET膜へのイオンビーム照射により作製したイオン穿孔膜は、直径が0.01-10mと、膜厚に対する孔径が小さく、孔径分布が狭い微細孔を有するため、機能性膜などの応用が期待できる。このイオン穿孔膜は加水分解により得られるため、機能性膜へ適用する場合、その親水性表面の安定性が重要となる。そこで、加水分解後のPETを乾燥空気下,窒素下,飽和蒸気下、及び減圧下,0から80で放置し、膜表面の接触角変化から、その安定性に及ぼす環境と温度の影響を評価した。加水分解により得られたPET表面の疎水性への変化は、親水的環境である飽和水蒸気下で全体的に著しく速くなった。親水性PET表面の各環境下でのcosの変化速度を疎水加速度と定義し、速度定数kの温度依存性について調べた結果、飽和水蒸気下では、他の条件と比較して温度依存性が高いことがわかった。したがって、親水的環境での疎水化の促進は、PET表面への水分子の吸着により高分子膜表面の運動性が上昇したため、親水性基の内部への拡散が速くなったためと結論した。
長谷川 良雄*; 西野 瑞香*; 竹内 剛敏*; 石川 幸治*; 蓼沼 克嘉*; 棚瀬 正和; 黒沢 清行
日本化学会誌, 0(10), p.888 - 894, 1996/00
Tcは核医学の分野で診断のため世界で幅広く利用されている。そのTcは、通常、親核種であるMoを吸着させたジェネレータから得られる。ここでは、その吸着剤として、低い比放射能のMoにも使用できるMo吸着能の極めて高いジルコニウム系無機高分子吸着剤の合成を試みた。ジルコニウム系無機高分子として、四塩化ジルコニウムのみ、および四塩化ジルコニウムとポリビニルアルコール、イソプロピルアルコールなどとの反応により五種類合成した。これらをアルゴン中で熱処理して吸着剤とした。熱分解過程の検討から各吸着剤の構造を推定した。また、これら吸着剤のMo吸着能は、その構造中のジルコニウム原子に結合した塩素原子数に依存することを明らかにし、吸着剤中で隣接する2個のZr-Cl結合とMoOの反応で生成する化学結合によるものと推定した。特に四塩化ジルコニウムとイソプロピルアルコールから合成した吸着剤は高い吸着能(200mg/g吸着剤)を示すことが分かった。
片貝 秋雄; 須郷 高信; 幕内 恵三
日本化学会誌, 1994(1), p.68 - 73, 1994/00
放射線前照射法を適用して、ポリエチレンフィルムにアクリル酸をグラフト重合した。得られた親水性の膜を使って、パーベーパレーション法により、エタノール水溶液からの水の選択分離性を検討した。その結果、分離係数及び透過速度は、グラフト膜中のカルボキシル基濃度の増加にともなって増大した。例えば、グラフト率220%の膜を使った場合、30wt%エタノール水溶液の分離係数、透過速度はそれぞれ6および4.6kg/(m・h)であった。さらに、膜への放射線架橋が水の選択分離性に及ぼす効果を調べた。グラフト鎖導入前の架橋と導入後の架橋とを比較した結果、後者の架橋法がエタノール水溶液からの水のパーベーパレーション選択分離に有効であった。グラフト率220%の未架橋膜と後架橋膜の分離性能を70wt%のエタノール水溶液で比較した結果、後架橋膜の分離係数は10倍になった。
牧野 仁史; 矢島 達哉*; 油井 三和; 吉川 英樹; 佐々木 憲明
日本化学会誌, 1993(5), p.445 - 449, 1993/00
水酸化ネオジム[Nd(OH)3(cr)]の溶解度をpH713の範囲で測定した。測定されたネオジムの溶解度はDebye-Huckelの式により活量補正し、活量とpHの関係式を求めてNd(OH)3(cr)の熱力学的平衡定数[K0s10:Nd(OH)3(cr)+3H+=Nd3++3H2O]及び加水分解定数[0n:Nd3++nH2O=Nd(OH)n+(3-n)+nH+]を算出した。その結果、logK0s10,log01,log02、log03はそれぞれ16.0、-7.6、-14.3、-24.9以下と求まった。これらの加水分解化学種のうち、NdOH2+は上記のpH領域において支配的に存在する化学種ではなく、Nd(OH)4-等の高次課水生成種の存在は認められなかった。これらNd(III)の加水分解化学種の存在状態は、Raiらによって得られているAm(III)の加水分解化学種と一致したことか
中島 隼人; 清水 三郎; 小貫 薫; 池添 康正; 佐藤 章一
日本化学会誌, 1989(4), p.681 - 686, 1989/04
酸化ニッケル(II)の水素還元反応について、熱てんびんを用い、還元速度におよぼす温度および水素分圧の影響を調べた。還元温度455~673k、水素分圧5.1~101kPaの実験範囲で、反応機構の異なる2つの領域が現れる。すなわち、還元速度と水素分圧の間にLangmuir吸着等温式型の関係が成立する領域と、Freundlich吸着等温式型の関係が成立する領域がある。これらの領域における還元速度の活性化エネルギーは、前者で984kJ/mol、後者では696kJ/molと求められた。
宮田 定次郎
日本化学会誌, 1989(2), p.251 - 256, 1989/02
難分解性塩素化合物の放射線処理技術の開発研究の一環として、反応開始手段としてガンマ線を用いて、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)およびヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド(CTAC)の存在するアルカリ性2-プロパノール水溶液中でのラジカル連鎖機構による四塩化炭素の脱塩素化について検討した。
熊倉 稔; 嘉悦 勲*
日本化学会誌, 1988(11), p.1822 - 1829, 1988/11
木粉およびモミガラの電子加速器による放射線前処理において照射線量および電子電流によって照射効果が促進され、また照射後の100~140Cでの試料加熱によって照射効果が促進された。カセイソーダ水溶液の添加下での照射によって著しく照射効果が促進されることがわかった。
須郷 高信; 岡本 次郎
日本化学会誌, 1988(9), p.1601 - 1606, 1988/09
ポリエチレン膜に放射線グラフト重合法を応用して、アミドキシム型キレート形成基を導入し、得られた膜を用いて、CuとMgの混合溶液による逆択透過試験を行なった。
山岸 秀之*; 斉藤 恭一*; 古崎 新太郎*; 須郷 高信; 岡本 次郎
日本化学会誌, 1988(2), p.212 - 216, 1988/00
高密度ポリエチレン製中空系状マイクロろ過膜を基材として、放射線グラフト気相および液相重合法が透水性能に及ぼす効果について検討した。
宮田 定次郎; 作本 彰久
日本化学会誌, 1987(9), p.1705 - 1711, 1987/09
環境汚染物質である有機塩素化合物の放射線による処理技術の開発の一環として、線を反応の開始手段に用いて、ドデカンスルホン酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウムあるいはヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリドの存在する2-プロパノール(25vol%)水溶液中での四塩化炭素のラジカル連鎖機構による脱塩素反応について研究した。その結果、脱塩素反応はCMC以上の濃度の界面活性剤によって抑制されることを見出した。反応の速度論的検討から、反応を抑制する原因が、連鎖担体である・CClラジカルの界面活性剤ミセル,M,による取り組み、・CCl+MM・CCl、および連鎖停止反応、・CCl+M・CClMCCl、にあることが判明した。
松尾 徹*; 大野 英雄
日本化学会誌, 1985, p.1851 - 1853, 1985/00
LiBeFの液相において、LiとFのパルス法による核スピン-格子緩和時間(T)の測定を行った。Tの温度依存性測定の結果、約540CにTの極少が現れる。Tのこの振舞は〔BeF〕錯イオンからフッ素元素が離脱し、液中を拡散する機構によって説明される。
青柳 寿夫; 吉田 善行; 安達 武雄; 木原 壮林
日本化学会誌, 8, p.1249 - 1256, 1984/00
硝酸系溶液および塩酸系溶液中のPu、(III)、(IV)、(VI)の加水分解挙動をアルカリ滴定によって調べた。また、生成したPu、(III)、(IV)水酸化物沈殿を各種孔径のフィルターを用いて濾過し、沈殿生成率およびその粒径とPHの関係を明らかにした。さらに、Pu、(III)、(IV)、(VI)の加水分解定数、錯形成定数および酸化還元電位の文献値を参照して上記実験結果を考察し、水酸化物沈殿の化学種を推定した。
中島 隼人; 清水 三郎; 小貫 薫; 池添 康正; 佐藤 章一
日本化学会誌, 8, p.1257 - 1261, 1984/00
ニッケル、ヨウ素、硫黄系熱化学水素製造プロセスに含まれる反応であるNilの熱分解反応について、熱天秤を用い速度論的な検討を行った。反応温度775K-869Kヨウ素分圧0-960PaにおけるNilペレットの熱分解反応は表面から起り、反応初期より中期にかけて界面反応過程が律速であると考えられる。見かけの分解反応速度は、一定反応温度で一定値である正反応の速度と、ヨウ素分圧に比例する逆反応の速度の和で表わされる。この正反応の速度は、ヨウ素分圧0のときの分解反応速度であり、その温度でのヨウ化ニッケルの平衝解離圧に比例する。見かけの分解反応の活性化エネルギーは147KJ・molと求められ平衝圧から算出した反応熱に極く近い。
永井 士郎; 新井 英彦; 畑田 元義
日本化学会誌, 10, p.1656 - 1660, 1984/00
種々の組成からなるCO/H混合気体をシリカゲル存在下および非存在下で電子照射して生成物を分析した。シリカゲル存在下の反応では、CO含量1~90%の全組成領域で低級炭化水素とCOが高収率で生成した。一方、HOの生成量は、シリカゲル非存在下の反応と異なり、CO含量が5%を超えるとCO含量の増加と共に減少し、電子線により水性ガス・シフト反応が起こることが示唆された。炭化水素生成に対するシリカゲルの役割を明らかにするため、COからの含炭素固体の生成、およびこの含炭素固体の構造とH流通下における分解挙動を均一系の反応の場合と比較した。この結果、シリカゲルは、COの放射線化学反応および、その反応から生成する含炭素固体の電子線照射下における水素化分解に対して、顕著な促進作用を持つことが分かった。
古川 和男; 大野 英雄; 高木 喜樹*
日本化学会誌, (6), p.942 - 946, 1982/00
溶融塩のエネルギー工学への利用をはかる場合、その密度は最も基本的な物性値の一つである。液体の密度はその構造と密接な関連があり、今まで液体構造に関する情報が不足しており密度推定等は困難であった。しかし最近のX線あるいは中性子線回析実験等による溶融塩構造化学に関する研究の進歩により密度推定が可能となった。本論文では、融点Tmにおける分子容Vmを各構成イオンの最密充填させたと仮定して求めた理論的イオンモル体積Vi,電子分極率i,ならびに電荷Ziおよびイオン半径riの比Zi/riを用い解析した。錯イオンを形成しない単純イオンからなる溶融塩は10%以内の巾で最適化曲線の上によく集まり、密度推定に利用できると思われる。しかし、錯イオンを形成する場合は複雑で、錯イオンの実効体積ならびに有効な電子分極率の評価にはさらに検討を要する。
古川 和男; 加藤 義夫; 大野 英雄; 大道 敏彦
日本化学会誌, (6), p.1092 - 1099, 1982/00
溶融弗化物は単層で、核反応媒体・熱媒体および化学処理媒体を兼ねることができる。この特長を利用して、例えば、LiF-BeF-ThF塩をターゲットおよびブランケットとする加速器溶融塩増殖炉AMSBが提案されたが、ここではその炉化学的考察を詳細に行ったものである。標準式AMSBは核反応により生ずる廃棄物の量および濃度が充分小さく、化学的に充分処理できるであろう。さらにこれに0.3~0.8mol%のOFを加えた変利得式AMSBにおいても、廃棄物の増加は僅かであって、設計可能と考えられる。しかも、これは直接溶融塩発電炉MSCRにターゲット塩を供給使用できるような、燃料サイクルを構成できるであろう。これにより、単純かつ合理的なトリウムエネルギー利用体系が構成できるであろう。
大野 英雄; 古川 和男
日本化学会誌, (6), p.934 - 941, 1982/00
本論文は回析実験から求められた溶融アルカリハライドの構造(我々が最近X線回析法で行なった未発表の研究を含む)に関し、計算機実験結果との比較ならびに安定同位元素を利用した中性子線回析法の問題点等をのべたものである。動径分布函数における第一ピーク位置は、X線あるいは中性子線回析結果と計算機実験結果では僅かではあるが明きらかな差(0.1~0.3が存在する。これは、イオンがお互いに近づきあった付近で、electron-shellに非対称的な変形(液体の本質を示す)がおこっているためと考えられ、球対称を維持したまま中心の偏極(分極)しうるelectron-shellを仮想するだけでは十分でないことを示している。安定同位元素を利用した中性子線回析法はX線回析法では得にくい、部分相関函数を直接求めることができるが、現在得られている結果には誤差が多く含まれているものもあり、精度をあげた再測定が必要と考えられる。
綱脇 恵章*; 大野 英雄; 勝田 博司; 古川 和男
日本化学会誌, 6, p.956 - 960, 1982/00
Na,Fをトレーサーとする毛細管浸漬法により、溶融NaBeF(融点372C)中のナトリウム、フッ素の自己拡散係数D(m,sec)の測定を行い、次の結果を得た。DNa=7.8010exp〔(-4.25.6)10/RT〕(420~560C) DF=4.9310exp〔(-79.66.5)10/RT〕(440~600C)Rの単位はJ.mol.Kである。この結果は、溶融LiBeF,LiBeF中のリチウム、フッ素の結果と同様な傾向を示す。これはすでに報告しているフッ素の交換と回転を伴う拡散機構模型と矛盾しないと言える。
松尾 徹*; 鈴木 秀次*; 大野 英雄; 古川 和男
日本化学会誌, 6, p.892 - 899, 1982/00
LiBeFの固相および液相において、LiとFのパルス法による核スピン-格子緩和時間Tiの測定、また、磁場掃引法により共鳴吸収波形の測定を行なった。固相におけるLiについては、拡散の活性化エネルギーはE=12.8kcal/molとなり、Fについては〔BeF〕錯イオンの回転の活性化が起こり、E=28.4kcal/molが得られた。液相においては、FのTiの振舞いにはTi極少が表われる。これは〔BeF〕錯イオンからFが相互交換または熱活性化により離脱することが主な原因であろう。その離脱頻度はほぼ1/2=210exp(-27/RT)である。融点直下の固相および液相におけるFの吸収線幅はほぼ同一である。これは液相において〔BeF〕錯イオンは分解せず、完全に3次元的な自由回転が起きていないことを示している。
岡田 實
日本化学会誌, 81(3), p.367 - 371, 1981/00
X線強度の値は既知の放射性核種の約10%について測定されているに過ぎないから、文献中に埋もれている未解析のX線スペクトルを解析することにより多数の核種のX線強度を実験結果の中から探索した。すなわち、強度の分っている線と強度の分っているX線の各全吸収ピークを共に含むような線スペクトルを文献から集め、その既知の強度と「スペクトルから読み取れるピーク面積」とに基づき、試行錯誤法によって効率曲線の「最適な形」を得た。この「形」を適用して(文献中の未解析ピークの解析によって)得られるX線強度の不確かさは、既知のX線強度値の誤差よりも小さい場合がある。従って、この「形」はX線強度値を手に入れる補助手段として有用である。必要な期間も費用も比較的少ない。